こんにちは!群馬県安中市に佇む小さな温泉地、磯部温泉です。
みなさまは「磯部せんべい」をご存知でしょうか?
材料はシンプルに小麦粉と砂糖、それらを磯部温泉の源泉(鉱泉)で練り上げた、当温泉の定番菓子です。
サクサクの歯ごたえとまろやかな舌触りが特徴で、形は丸かったり四角かったり。お店によってゴマ・チョコレート・味噌など様々なアレンジが加えられ、現代まで愛されている逸品になっています。
今回は、こちらの磯部せんべいの歴史を少しだけご紹介します!
磯部の鉱泉を使った、歴史のあるせんべい
実はこの磯部せんべい、原型となるお菓子は804年に唐(中国)から輸入されたものなんです。
歴史の教科書にも登場するお坊さん、空海が唐でお菓子作りを学び、それを持ち帰ったものが江戸時代ごろに「亀の甲せんべい」として普及しました。
これが、せんべいの近代化の第一歩でした。つまり、磯部せんべいのルーツは他のおせんべいと同じだったわけですね。
では!その「せんべいの源流」から、いかにして磯部せんべいは独立することになったのでしょうか。
その秘密こそが、磯部から湧き出す鉱泉なのです。
天明3年(1783)に浅間山が噴火した影響で湧出したといわれる磯部温泉は、明治6年(1873)に調査が行なわれ、「浴用のみでなく飲用に特にすぐれた効果のある鉱泉だ!」ということが認められました。
温泉の歴史は、なんだかんだ地震や噴火とリンクしていることが多いですね。
その後、明治18年(1885)に信越線が高崎から横川まで延長。磯部駅が誕生しました。
この歴史は「磯部誌」に『磯部温泉の発展と運命はこの時に始ったといっても過言ではない』と書かれているとおり、磯部温泉にとって大事な転換期だったようで、磯部せんべいがおみやげとして普及したのもこの頃だとされています。
旅館が次々と増築し、戸数も90→300以上に増加!磯部が全体として一気に盛り上がりを見せた年だったようですね。
今もたくさんの磯部せんべいが作られています
そして現代。磯部温泉の温泉街には、たくさんのせんべい店が立ち並びます。
こちらの写真に写っているお店だけでも栄泉堂、松風堂、名月堂の3店舗。さらに国道18号線沿いには菓舗たむらの大きな店舗があります。
薄く焼き上げられた磯部せんべいは口溶け柔らかく、いくらでも食べられてしまいそう!
プレーンな味が特徴なので、アイスクリームやチョコレートとの相性も抜群です。いろんな食べ方で楽しむことができますよ。
お土産としてもオススメですが、できれば磯部においでいただき、土地の歴史を楽しみながら味わっていただきたい逸品でもあります。
さらに「栄泉堂」では磯部せんべいを職人さんが焼き上げる様子を見学することもできます。(薄く作るのは職人さんでも難しいらしい…!)
磯部温泉の発展にともなって広まった銘菓。ぜひ現地でお召し上がりください!
「磯部せんべいサクサクツアー」申し込み受付中!
お1人あたり700円で、磯部せんべい店を巡りながら食べ歩く「磯部せんべいサクサクツアー」にご参加いただけます。
①金誠堂 ②名月堂 ③栄泉堂 ④金鳳堂 ⑤松風堂 ⑥勉強堂 ⑦お菓子のゆもと ⑧梅泉堂 ⑨大手製菓 ⑩恵比寿堂 ⑪菓舗たむら の11店舗の、どちらでもご利用いただけるチケットをお配りし、限定記念グッズも贈呈しております。
所要時間は約1時間〜1時間30分程度。この機会に、ぜひ「食べる温泉」磯部せんべいの食べ歩きを体験しみてください。
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